CONCEPT

自然のものは人の手が加わらない、そのままの姿が最も美しいと思います。

しかし人間が生活する領域は、自然のままの姿ではなく人の手が加わった人工的な自然環境です。
その中でも棚田が広がる田園風景や里山の景色などのように
人間が自然を尊重し、自然の助けを借りて両者が共存している風景は
自然のままの姿と同じような美しさを持っていると思います。

庭はそのような自然と人間が共存する環境の再現であると考えています。

春の瑞々しい新緑や花々
夏の涼しい木陰と爽やかな風
秋の色とりどりの美しい紅葉
冬の枝の間から落ちてくる暖かい日差し

庭に植えた樹木が織りなす四季の自然の表情は
私たち人間の日々の生活を豊かなものにしてくれます。

そのような自然の恩恵を享受する代わりに
人間は樹木が健全に生育できるような環境を整備するといった共存関係が庭には不可欠です。
以前は当たり前にあった自然と人間の関係が、現在は希薄になってきているように感じます。
共存関係が構築されている庭の造形は人工的な建築のデザインと融合し
建築をその土地に馴染ませより美しく存在させる事ができます。
私は家が単体として完結するのではなく、家が自然を取り込み自然が家を包括するような庭を造っていきたいと考えています。
その結果、自然と人間が再び良い共存関係を構築し、日本の町中に緑が増えていく事を願っております。

浦田 知裕